熱気ムンムン(N.Y.)

1999年6月27日

ー前夜ー

昨日、友達がライブをやるというので、見に行った。

CBGBという名の知れたライブハウスが会場だった。

その日も、暗がりに沢山の人達が来ていた。ただ、直観的に男女比が、普通ではない事を感じていた。珍しく女の人の方が、圧倒的に多い。

ファッションショーに出てくるモデルのように、下着をつけずにシースルーのドレスだけを着て陶酔気味で踊っている人もいれば、場所ににつかわずフレッシュオレジジュースを、外から持ち込んで飲んでる健康指向の人もいた。 相変わらずのカオスを眺めていた。

トイレに行こうとした。men's roomに入ろうとしたところ、"Excuse me,what are you doing? See this line ,we are waiting"と凄まれた。確かに、女の人達の列があった。men's roomの隣にあるlady's roomに並ぶ列と、私には思われたのだが、、。一瞬、私は考えこんでしまった。

"Hey,this is the lesbian party,you know"「あーそうか。私は知らない間にレズビアンに紛れていたのか、、、」もう一度、フロアーを眺めると、8割以上が女の人だった。彼女らは男を眺めるでもなく、彼女たちだけで十分楽しそうにしていた。そして、その日がゲイパレードの前の日であることに、やっと気がついた。仕様がないので、列に加わった。その日はmen's room もlady's roomどちらも女の人のために存在していた。トイレを待つ女の人を横目に、さっさとmen's roomで用を足すのに慣れている私は、その列に加わる事がちょっと新鮮だった。

いつもの事かもしれないが、殊の外いつも以上に女の人の視線も浴びることなく、ただ、このpartyが男のゲイのものではなかったと言う安全に感謝した。

ー当日ー

仕事でゲイパレードそのものは、見ることができなかった。で、パレードが終わって2時間くらいたった頃に、その辺りに行ってみた。祭の後ながらも、熱気むんむんだった。ショートパンツをはいた格好良いおにいちゃん達が、腰をくねくねしながら踊っていた。まあ、それは有りがちな情景なんだけど、、、。

私が今年多少驚いたのは、女の人で、オッパイを出して歩いている人が数人いたことだった。私は二人見かけた。軽くシャツを羽織ってるんだけど、前のボタンをダラーっと全開にしてた。私は一瞬5次元の世界にでも迷いこんだかと思った。彼女らはパフォーマンスをしてるわけでもなく、みんなと一緒に歩いていただけなのだ。そこは、海辺でも川辺でもなく、祭の日ではあったが、単なる道端なのだ。単なる道端で、オッパイを出しながら歩く女の人と言うのは、日本男児的な感覚では、やはりちょっと驚きなのですが、、。

 

周りも驚いているならともかく、あまりに普通にしてるのが、私の驚きを増長した。上半身裸で歩く男のゲイが沢山いたし、その時はもう暗かったので、目立たないといえば、確かに、そんなに目立たない。私が見かけたその二人は、体型的にも「美」からは程遠いくらいにwideだった。むしろ、目の毒って感じだった。それで、あまり視線を浴びてなかったのかな。パレードそのもので、驚きの感覚がみんな麻痺してたのかもしれない。

 

シースルーのシャツとか、ブラジャーだけをつけた女の人は、夜のクラブとかパーティーとかにいけば、まれにいる。でも、どこにでもいるということは決してない。「私目立ちたいんです」オーラをガンガン発しているような人達で、それでも、かなり変わっている人達だと思う。そういう彼女らはまあまあ、かわいいので、そういうところでも充分目立っている。でも、決して人通りの多い道端で、彼女らを見かけることはないと思う。

 

アメリカ人って、ビーチでもトップレスになるには抵抗がある人達なはずなのだ。その点、フランスとかみたく進んでない。ゲイ差別もまだあるし、そういう意味では保守的な国なんだけど、、、だからこそ、あういう特別な日、特別な地域では、はじけちゃうのかな。

私が住む辺りでも、ゲイのカップルが手をつないで歩くのは、昼夜を問わず普通の情景になりつつある。 2年前のゲイパレードの日に男同士が公衆の面前で、熱いフレンチキスを交しているのを見て、私はぶっ倒れそうになった。でも、それも市民権を得つつあって、最近では夜に限るけど、よく道端でも見かけるようになった。
そういう論理で行くと、オッパイを出しながら道を歩く女の人も、そのうち市民権を得る可能性もあることになる。だとしたら、とてもクレイジーだと思う。やっぱり私はこの街を去るべきだ。

今まで隠されていた色んなものが、表に出てきてる。
隠しきれなくなって出てきた時には、もう手遅れみたいなのは、よくない。もっとみんな隠さないほうが幸せになれるに違いないと、最近の私は思っていた。
でもね、出しすぎって言うのもあるよね。見せる按配っていうかさぁ、、。
歴史的にみれば、普通のことなのかなぁ。流れ的には自分のからだを見せる事自身が、確かに恥ずかしくないと言う方向には進んでいる。年寄りが、ミニスカートはいてる若い女の子見て「全く最近の若いのは、、、」とか言ってるのと、私はあまり変わらないのかもしれない。

 



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